養毛剤の効能
養毛剤を使用したからと言っても、「広くなった額は狭くならない」と言うことは、理解しておいて下さい。
養毛剤は本来、2〜5年の成長期を持つ髪が、諸原因で休止期になってしまう状態を元のヘアーサイクルに戻そうとする、または、成長期を長く保とうとする効果が期待できます。
毛母細胞の細胞分裂が行われていないところに、いくら養毛剤を使用しても、「広くなった額は狭くならない」わけです。

抜け毛を気にする人の、シャンプーその他で抜けた毛を観察すると、中に短く細い毛が混ざっています。
毛先が尖っていて細い毛は、2〜5年の寿命を全うせず、3ヶ月程度で寿命を終えた毛です。
この毛を少しでも長い間成長期として育てるのが養毛剤です。
3ヶ月で寿命を1年でも2年でも延ばせれば、それだけ脱毛症になる時期を遅らせることが期待できます。

しかし、養毛剤を使用しても、ヘアーサイクルの関係から、6ヶ月程度使い続けて初めて効果が現れるので、根気よく毎日続けることが大切です。
また、毛乳頭に活力があるうちに使用することが効果的ですので、毛母細胞が弱ってしまう前に始めた方が効果的でしょう。


育毛剤は頭皮の血行をよくするほか、余分な脂肪の分泌を抑えたりして、毛母細胞の働きを活発にするので、育毛剤を使えば、それだけ丈夫な毛が作られ、薄毛、抜け毛を防く効果があるのです。
したがって、薄毛、抜け毛などで悩む方には、育毛剤の使用をおすすめします。
しかし、使おうと思っても市販されている育毛剤の種類がとても多くて、どれを選べばよいのか迷ってしまうかもしれません。
そこで、その選び方をお話しするわけですが、それにはまず、育毛剤について知っておく必要があります。

育毛剤には、いろいろな成分が配合されていますが、目的別に大きく分けると、
(1)血行促進、(2)男性ホルモン抑制、(3)細胞の活性化、(4)脂肪分泌の抑制

などとなります。
そして、育毛剤はこれらの成分を組み合わせながら、その製品ごとに特徴を持たせていますから、自分の髪の状態に応じて使い分ければ、それだけで効果も期待できることになるでしょう。


(1)血行促進タイプ

育毛剤の大部分がこのタイプで、毛細血管を拡張させ、血流を増加させる作用を目的とした育毛剤です。
毛乳頭部に十分な血液を送り込み、より多くの栄養を補給して毛母細胞の活性化を図ろうとするものです。
おもな成分には、ビタミンE、センブリエキス、ニンニクエキス、トウキエキス、塩化カルプロニウムなどで、とくに塩化カルプロニウムは医療用としても使われる成分です。
フロジン液、最近では、海外でミノキシジルを使った物なども、注目されています。

(2)男性ホルモン抑制タイプ

俗に「若ハゲ」と呼ばれる男性型脱毛症(AGA)は、男性ホルモンの一種であるテストステロンが、5α−リダクターゼという酵素の働きで、ジヒドロテストステロン という非常に活性の強い物質になり、発毛を抑えてしまうために起こるといわれています。
そこで、この酵素の働きを抑制してしまえば、テストステロンの作用もそれほど強くならないから、脱毛を防ぐことができるという、いわゆる外堀から埋めていこうというタイプの男性向き育毛剤です。

(3)細胞の活性化タイプ

気が細くなるとか、抜け毛が多くなると言うのは、毛母細胞の生活力が衰えてくるからどちらかといえば間接的な方法です。
これに対して、毛母細胞に直接働き、細胞の生活力を高めようとするのがこのタイプです。
その目的で使われる成分として、ヒノキチオール、感光素、グルコン酸クロルヘキシジン、ペンタデカン酸グリセリドなどがあげられますが、なかでもペンタデリカン酸グリセリドは、近年その効果が発見された、注目されている成分です 。

(4)脂肪分泌抑制タイプ

男性型脱毛症(AGA)の人は皮脂の分泌が多く、フケがたくさん発生したり、毛穴に皮脂が詰まったりしがちです。
このような状態は男性型脱毛症(AGA)の進行を早めるほか、長く続くとこれ自体が脱毛の原因になったりします。
そこで、過剰な皮脂の分泌を抑制する成分を配合したのがこのタイプの育毛剤です。
カシュウという植物の成分がもつ脂肪の除去作用が注目されています。


自分の好みに合う育毛剤を選び
毎日続けてヘアケアするのが大切
四タイプの育毛剤をあげましたが、これらはそれぞれのメーカーが、その製品の特色としてあげている目的で分けたもので、実際にはほかの効力もそれ なりに持っています。

その意味からいえば、どの育毛剤を使っても効果にそれほど大きな差はありませんが、しいてどれにしようかといわれれば、
抜け毛が気になりはじめたら「血行促進タイプ」を、
額の生え際や頭頂部が薄くなったら「男性ホルモン抑制タイプ」を、
細くて短い毛が多くなったら「細胞の活性化タイプ」を、
そして、頭皮がとくに脂っばい人は「脂肪分泌抑制タイプ」
を、
ということになるでしょう。
ただ、まえにも述べたように、四つのタイプに分けてはいるものの、市販されている育毛剤には、いろいろな成分が配合されていますから、実際にはどのタイプを使っても効果にそれほど大きな差はないのです。
むしろ、その効果は、目ごろの心がけ次第で大きく変わってきますから、正しい処置が望まれます。
それには、心身ともに健康でなければなりませんが、育毛剤の使い方としては、休むことなく、毎日決められたとおり実行することです。

毎日続けてすることが、育毛剤の効果を発揮させるわけで、休み休みやったのではその効果は望めません。そのことから考えれば、育毛剤は連続して使用するものですから、使った感触がよいとか、匂いなどが自分の好みに合うといったも のを選んだほうが無難ともいえます育毛剤は、薄毛や抜け毛を予防したり、あるいは改善したりする目的で使用するわけですが、育毛剤の効果はその一部を担っている製品です。

ですから、育毛剤だけに頼るのではなく、頭皮をマッサージするとか、温めるといったことも併用し、さらに日常のへアケアも忘れることはできません。