抜け毛を予防し、健康な髪を育てる食べ物をとる

極端なダイエットによって美しい髪の毛を失った若い女性の話や、病後に髪の毛がごっそりと抜けたなどの話を聞くと、毛髪のためには体全体を健康にする食事が、いかに大切であるかがわかると思います。

髪の毛は皮膚と同じように体の一部なのですから、栄養が不足したり、偏ったりすれば衰えるのは当然です。

毛髪はケラチンというたんぱく質からできていますから、たんぱく質が豊富な魚肉類を十分にとる必要があります。しかし、だからといって動物性脂肪をたくさん含んだ肉類をとりすぎると、血中のコレステロールが高くなり、動脈硬化が 進んで血管を目詰まりさせるもとになります。


動脈硬化は、命にかかわる心臓病や脳血管の病気などのもとになるということで、非常に恐れられていますが、じつは脱毛にも無関係ではないのです。

頭皮には、無数の毛細血管が網の目のように走って、毛根の毛母細胞に血液を供給しています。その供給がスムーズにいっていれば、髪の毛は健やかに育成されますが、とどこおれば毛母細胞に栄養が行きわたらなくなり、髪の成長は止まり、脱毛が始まります。

毛細血管が動脈硬化を起こして目詰まりしてしまうと、頭皮の血行にさまたげが出るわけです。このような意味から、髪を健康に保つ食生活とは、成人病予防食、とくに動脈硬化を防ぐ食生活が好ましいということになります。

最近、血管をしなやかにするEPA(エイコサペンタエン酸)が、動脈硬化予防によいとして話題を呼びましたが、健康な髪を保つために、EPAをたくさん含んだ青魚などを頻繁に食べるのも良いでしょう。
それと同時に、血行をよくする働きがあるビタミンAやE、それに体の新陳代謝をよくする働きがあるビタミンB群を含んだ食品、髪の発育を促すヨードを含んだ海藻類などをなるべくたくさんとるように心がければ、健康な髪の保持に役立つでしょう。

毛髪によい食べ物とは何か
髪の健康を保つためにぜひ毎日とりたい食品は、次のようになります
髪の基本成分、ケラチンのもとになる上質のアミノ酸を含むたんぱく質
肉類、魚類、卵、大豆や大豆製品、牛乳や乳製品がこれにあたります。髪の毛の主成分は、含硫アミノ酸というイオウをたくさん含むたんぱく質で、これは動植物のたんぱく質にたくさん含まれています。日常の食事の中で、動植物のたんぱく質をバランスよくとることが大事です。中年以降の人ではコレステロールを高くしやすい肉類よりも、魚類、とくに青身の魚や豆類、なかでも大豆や大豆製品などを多めにとることをおすすめします。
甲状腺の働きをよくして髪の発育を促すヨードを合んだ食品
わかめ、ひじき、昆布などに代表される海藻類海藻を単独でとるよりも、たんぱく質と組み合わせた料理にしたり、肉や魚科埋のつけ合わせにして食べると、育毛効果があがります。
血行をよくして抜け毛を防ぐビタミンE、A、P
ビタミンEを多く含んだ、玄米、胚芽米、ゴマ、ナッツ類、小麦胚芽油、紅花油。ビタミンAを多く含む二ンジン、カボチャ、コマツナ、ホウレンソウなどの緑黄色野莱。ビタミンPの多い、レモン、オレンジなどの柑橘類、アンズ、サク ランボ、そば粉。血管をしなやかにして、コレステロールをためないようにするには、エイコサペンタエン酸(EPA)を多く含む、イワシ、サバ、ブリなどの新鮮な青魚を食べることですが、青魚は、たんばく質も同時に摂取できるので、 髪を健康にするには一石二鳥の効果が期待できます。
頭皮の新陳代謝をよくするビタミンB群
玄米、小麦胚芽、米ぬか、豚の赤身、レバ−、マグロ。頭皮の新陳代謝をよくして、健康な髪を守るには、豚肉、レバー、マグロなどをメインディッシュにすると、よいでしょう。
髪の艶や張りをよくするコラーゲンを含むねばり気のあるもの
山芋、長芋、里芋、レンコン、納豆など、ぬめりのあるもの。これらを、たんぱく質といっしょに料理して食べると、艶やかで丈夫な髪になります。