親が直毛なのに子供が縮毛であると言う例があり、その場合、縮毛は突然変異とされる場合がありますが、民族・人種によっては縮毛が正常であり直毛が突然変異ということになります。
遺伝的には直毛と縮毛は縮毛に優性遺伝ということになるようです。
縮毛はこのように遺伝性があるため、ほとんどが生れつきのものですが、なかには思春期の頃の性ホルモンなど体質の変化に伴い、この頃から縮れてきたり、生まれたときからの縮毛が一生続くタイプや、生まれた時は直毛で思春期頃から縮毛になったり、逆に生まれた時は縮毛だったのに思春期頃から直毛になるタイプや、髪が柔らかくなって 薄くなるにつれて髪にコシがなくなり縮毛になってしまうなど、発生の仕方はいろいろあるようです。
両親が直毛の場合 | つまり直毛×直毛 | 子供の97%が直毛 |
一方が波状毛の場合 | 直毛×波状毛 | 直毛70% 波状毛29% |
一方が縮毛の場合 | 直毛×縮毛 | 直毛60% 縮毛24% |
両方共波状毛の場合 | 波状毛×波状毛 | 波状毛86% 直毛14% |
縮毛の原因は3つあり、
- 毛包が湾曲している場合
- 毛の断面の形が偏平や楕円形、繭形など不定形の場合
- 毛皮質が吸水性の性質と撥水性の性質のケラチンが偏在して片寄って分布しているような場合
に縮れが起こってきます。
毛包が湾曲している場合は、髪が形成されるときはドロドロの状態ですが、徐々に上に押し上げられながら角化していく過程で、歪んだ形で角化が起きるような事があると髪の断面の形に歪みが出来、縮毛になります。
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また髪の構造を見てみますと、毛皮質と言うものがありますが、この中に含まれるケラチン繊維の中の皮質細胞には2種類あり、その成分であるケラチンの質の違いで縮毛が起きると考えられています。
名称 |
性質 |
シスチン含有量 |
O−コルテックス (A−コルテックス) |
親水性・大 |
小 |
P−コルテックス (B−コルテックス) |
親水性・小 硬い |
大 |
上記のような性質がありますが、普通、直毛には平均して存在し、縮毛などでは波の外側にO−コルテックス、内側(下側)にはP-コルテックスがあると考えられており、水分を含んだときと乾燥した時の波の違いはこれらの性質の違いが出るものと考えられます。
根本的に生えてくるものまで治すことはまだ出来ませんが、毛幹の部分は外部から化学的、物理的に薬品や熱、テンションなどを加えて、薬品の化学作用を促す事により伸ばしていくことは可能です。