Q&A

髪は静電気で抜ける?

 冬は髪をブラッシングすると静電気が起こってパチパチと音がして、髪がブラシにからみつき、苦労する女性が少なくありません。ただでさえ乾燥している上 に、暖房のため湿度が極端に少なくなっているからでこんなときは金属製のドアの取手に触れてもバチッと火花が出たりします。静電気が放電しているのです。
 もともと人間の体にはマイナスの電気が帯電しています。だからプラスに帯電しているドアの取手に触れるとショートするわけですが、髪をブラシで摩擦すると髪の毛がプラスに静電して、頭皮とショートするわけです。
 ドアと手がショートしても健康に別状はありませんが、デリケートな髪は要注意。というのは、髪の毛の根元で放電すると毛母細胞を傷め、髪の成育を衰えさせたり、脱毛させるからです。
 対策としては、静電気が発生しやすいナイロンブラシの代わりに髪を乾燥させないようヘアクリームなどを用いることです。


ヒゲと胸毛と頭髪の三角関係

 髪をカラフルに染める人がめずらしくなくなった現在、「黒髪は女の命」という言葉も昔のものになりましたが、幸い女性のハゲは極めて少ないです。ある調 査によりますと、女性のハゲの出現率は50代が0.1%、60代が0.3%で、ゼロに近いのです。
 女性がハゲにくいのはホルモンの関係だといわれています。たとえば、卵巣分泌される「エストロゲン」という女性ホルモンは、女性の乳房をふくらませ、皮下脂肪をつけて女性らしい体つきにするだけでなく、頭髪や陰毛など全身の体毛 を濃くする働きがあります。
 ところが、男性は睾丸で分泌される「テストステロン」という男性ホルモンの働きでヒゲや胸毛、陰毛は濃くなるものの、頭髪の育毛は促しません。それどころか、このホルモンを若年性脱毛症の素質を持っている人に毎日注射しますと、 脱毛症を早期に出現させることが証明されています。
 やはり、副腎皮質で分泌される男性ホルモン「エストロゲン」が多量に分泌されると、頭髪が脱毛することがわかっています。
 俗に「ヒゲが濃いと男性的」「胸毛のある人は男性的」「ハゲている人は精力絶倫」といわれていますが、性ホルモンの作用からみて、それなりの根拠はあります。


毛はどこまで伸びる?

 ほおっておけば、髪ほどこまで伸びるのでしょうか。5メートルも伸ばしたという話もありますが、よほど特殊な例でしょう。
 というのは、頭髪は平均4年で生え変わるからです。1ヶ月で1センチ伸びたとして50センチ。なかには寿命の長い髪もあるから1メートルくらいは伸びるでしょうが、身長より長くはなりそうもありません。
 ところで、頭髪以外の毛はどこまで伸びるのでしょうか。それぞれの部位の毛の寿命は異なっています。
 ひげ  7〜11か月
 まゆ毛 28〜150日
 脇毛  200日
 胸毛  124〜210日
 これらの毛は頭髪の4年とくらべると短く、伸ばそうと思ってもその前に抜けてしまうわけです。しかし、あごひげの最長記録として5メートルを超えている例があり、これも特異な体質の持ち主でしょう。
 頭髪は抜けてハゲることもあるのに、ひげやわき毛がハゲないのは、早く抜けるが次々に再生するからです。


合成洗剤は危ない物で、石けんが一番良いの?

 洗剤は家庭用品品質表示法により石けん、複合石けん合成洗剤の三つに分類されています。(シャンプーや化粧石けんなど化粧品、フケ取りシャンプー、消臭シャ ンプーなどの医薬部外品薬事法の適用を受けています)
 消費者運動関係の本などには、石けんがベストで、天然物であるかのように書かれていますが、石けんは人類が最初に合成した界面活性剤と言われているように、 現在市販されている石けんは、天然にある物ではなく合成されたもので、ヤシ油、牛脂、莱種油などを水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)と水で加水分解することによ リつくることのできる、害の少ない合成界面活性剤の一つです。
 合成洗剤というのは石けん以外の合成された界面活性剤を主成分とした洗剤のことを言い、一般に市販されている洗濯用洗剤や台所洗剤の主成分は、合成界面活性 剤が使われています。
 複合石けんは石けんを主成分として、他の界面活性剤を加えてあるものを言います。
 法律の上で、それまで長い間使われていた石けんは「石けん」と表示され、戦後の石油と硫酸から作られた石油・硫酸合成系の界面活性剤を「合成洗剤」というよ うに区別しているだけで、化学的みれば石けんも合成界面活性剤いうことになり、石油・硫酸系洗剤に比較すると安全で良いもと言うことはできますが、必ずしも公 害が無いとか、無害というのではありません。
 洗剤の毒牲を語る事は非常に難しいことですが、一般に石油系はが強く、天然のヤシ油からつれたものは毒性が弱いというに思われているようですが、必ずしもそ うではありません。
 たとえはヤシ油からつくられたアルキルエーテル硫酸エステルナトリウムの方が、細胞を破壊する力が強いと言われる石油系のポリオキシエチレンアルキルフェノー ルエーテルよりも、もっと毒性が強く蛋白質変性を起こします。
 同じ石油系であってもポリオキシエチレンアルキルエーテルの場合は、前記アルキルエーテル硫酸エステルナトリウムよりも1/6と言う低毒性の物もあるのです。
 また洗濯用洗剤で、1回分の使用料を比較すると、粉石けんの場合は水30リットルに対して約40g使いますが、この中の界面活性剤は70%ほど含まれているため、河川に 流される界面活性剤の量は40gx70%=28gとなりますが、普通のコンパクト洗剤の場合は25g使用で界面活性剤は40%位ですから10gとなりますので、石けんは合 成洗剤の3倍近くの汚染源となります。
 河川に捨てる界面活性剤量(河川負荷量)に分解速度(石けんを1とした)を掛けると洗剤の公害指数を表すことができ、石けんは28となリ、コンパクト洗剤は石 けんの3倍の分解速度がかかるため、公害指数は30となってしまいますが、濃縮型液体洗剤の場合は分解速度は1.2ですので、公害指数は3.3と8.5倍も低いものもあり 、一般の合成洗剤の方が公害が少ないとも言えます。しかし、河川や湖沼の水質汚染は少なくても、毒性を考えるとどれでも良いというのではなく、硫酸系やフェノ ール系を含まないものを選ぶ方が良いでしょう。
 シャンプーについては、石けんよリもアミノ酸系のものの方が毒性は1/2位と弱くなっていますのでこれを使うか、高級アルコール系のものなどの場合は充分にすす ぎ流すことが大切です。