■後天的な諸要因でもハゲる

男性型脱毛は遺伝するわけですが、では遺伝要素のない人はまったく安心なのでしょうか。
現実に親戚縁者に一人もハゲがいなかったのに、自分だけハゲ始めたという例はたくさんあります。遺伝的要素がないのにハゲたとすれば、後天的な要因でハ ゲ体質になったということです。

後天的な要因は、内因と外因の二つに分けられます。

内因とは、主に栄養が毛根に届かないために毛根の働きそのものが弱るケースです。どんな人でも毛根内にテストステロンも5α−リダクターゼも存在し、5α−DHAが作られるわけですが、その量がそれほど多くなく、毛母もしっかり 活動しているかぎり、5α−DHAの影響を大して受けません。ところが、栄養補給が途絶えて毛母の活動が鈍ると、徐々に5α−DHAの影響が現われ、男性ホルモン型脱毛に移行していきます。食物の栄養バランスが悪い場合、消化器官 や循環器官の働きが悪い場合、有害なものを日常的にとっている場合、何らかの原因で首や頭の血管が圧迫されて頭皮に血液が流れにくくなっている場合など、毛根の栄養障害が男性型脱毛の原因になります。

外因とは、粗悪なシャンプーやリンス、整髪料を使用している人、帽子やヘルメットを常時かぶっている人、髪をきつく縛っている人など、主に外部的要素を起因とする物です。結局これらも頭皮の炎症や血流障害の原因となり、毛根の活 動抑制につながります。また、さまざまな生活上の問題がハゲを促進することもあります。たとえば睡眠不足、喫煙、ストレス、運動不足などは直接間接に毛根の活動抑制につながります。