フケ症について

■自然なフケと病的なフケ

フケは皮膚から出るアカと同じように、新陳代謝の副産物として角質細胞が剥がれ落ちたものです。
角質細胞は麦皮のいちばん外側の層にある、いわば死んだ細胞です。
フケは頭皮の表面にくっついているか、あるいは剥がれてパラパラと落ちるものですがフケになる角質も、初めは表皮の深いところにあります。
フケの出るメカニズムですが、まず表皮のいちばん深いところにある基底細胞が細胞分裂を繰り返して新しい細胞をつぎつぎと作り出します。
そして新しくできた細胞は順次押し上げられていき、皮膚の麦面に近づくにつれて丸い形から扁平な形になり、角化しはじめます。
いよいよ表皮に達すると角質細胞になり、完全に角化して角層を作ります。この角層を形成している角質細胞も徐々に皮膚の表面に押し出されていきますが、上にいくほど細胞同士の結合が緩んで、最後には剥がれ落ちます。

毛髪に毛周期があるように、フケのもとである表皮にもサイクルがあります。
表皮が基底層で新しい細胞として生まれてから、上方に押し上げられて角質細胞になって剥がれ落ちるまでを、表皮の細胞周期と呼んでいます。
正常な場合は、このサイクルは28日とされ、さらに角質細胞の剥離は、細胞が非常に小さいために目で見ることができないのです。
つまり、正常な人のフケやアカは目には見えないものですが、実際には何十万という角質細胞が、頭皮だけでなく全身からフケやアカになって毎日剥がれ落ちているのです。
健康なフケは目には見えません。従って不潔でもなんでもないのです。

俗にフケといわれるものは頭皮の老化角片の脱落するもの(落屑)と分解酸化物との混合物で、私たちが生きでいる以上新陳代謝の産物として不思議はないものです。
ただこれが異常に多いのをフケ症と呼び、医学的には頭部批糠疹と名付けられています。
一般的に乾いたサラサラのフケを乾性フケ、粘っこい重いフケを脂性フケと呼んで、前者は角片が多く、後者は皮脂分の多いフケ、と考えられていますが、これは誤りで、皮脂分解物が乾いて粉のようになる場合もあります。現実には皮脂が少いために頭皮が乾燥したり、頭皮の角質の異常増殖で角片が大部分のフケもあり、こうしたフケに対しては乾性脂漏という用語は適当と思われます。

■ストレスはフケのもと

以上述べた通りフケには角質(落屑)を主とするフケと皮脂分解物を主とするフケがあり、
そのいずれかが異常に多く生産されることでフケ症という病的症状を呈するわけですから、
原因は前者の場合は頭皮角屑の乾燥、細胞の異常増殖等によって起こることが考えられ、後者の場合皮脂分泌の亢進と細菌繁殖が直接の原因と考えられます。

しかし、こうした状態を生み出す内的原因としては

1)ホルモンのアンバランス
2)自律神経失調(交感神経緊張)
3)食事(脂肪、炭水化物のとりすぎ)
4)上皮組織の新陳代謝の不均衝(ビタミン、ミネラルの不足)

などがあげられ、特に1)、2)の原因となるストレスが大きな要因です。

又、外因としては

5)頭皮の不潔(細菌の繁殖)
6)薬品、化粧品等による炎症
7)シャンプーのしすぎによる脱脂

等があげられます。
いずれにしても、ふだん頭皮を清潔に保つように適度のシャンプーをし、シャンプー後は殺菌剤を含んだトニックで頭皮をマッサージ、乾性頭皮の方はビタミンA含有のクリームかオイルを少量塗布するなど手入れと同時に、睡眠を充分に とり、バランスのとれた食事、ストレス解消等生活環境にも心を配るようにしていれば、ある程度の予防は出来るはずです。